ヨーロッパ通信 TOPページへ   ビルケナウより

世界遺産 「名称変更・世界遺産」 第二の強制収容所(2007年7月5日)

囚人が運ばれてくる“終点”

不衛生極まりなかったバラック

「アウシュビッツ収容所」から約3km離れたビルケナウ(Birkenau)には、第二の収容所がある。青空の下に広がる敷地はアウシュビッツの約9倍で175ヘクタールもあり開放感さえも感じる。しかし収容されていた人たちには彼らが置かれている状況とは正反対のこの開けた景色はどう映っていたのか、収容所入り口から上ることができる監視塔から敷地全体を眺めると、ひらけた景色も狭く見える。

このビルケナウでは、アウシュビッツのような展示はないが、当時の囚人の生活環境そのものが見られる。木造バラックの収容所に入ると、当時の不衛生さがが甚だしいことはすぐに分かる。もともとは馬小屋とされていた建物、そこを多少改造しただけのつくりなのだ。湿った地面をそのまま床にしてその上にたてられたワラが敷かれただけのベッド、汚水は垂れ流し、このような離れにあるため常に水不足、そんなねずみが這い回るバラックに詰め込まれていた囚人たちの最期はやはりガス室だった。

さてこのアウシュビッツとビルケナウ収容所の名称変更が先月認められた。以前からこの地域の住民から名称変更希望が出されており「アウシュビッツ・ビルケナウ ナチス・ドイツ強制絶滅収容所 (Auschwitz Birkenau, German Nazi Concentration and Extermination Camp)」となった。これでナチスによる虐殺の場であったことをはっきり示すという。負の世界遺産として登録されているこの収容所、名称変更は囚人遺族に少しは慰めとなっただろうか。(凛)



敷地内バラックには10万人近くが収容されていた

関連リンク アウシュビッツ強制収容所

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